かかりつけ薬剤師に聞く
かかりつけ薬剤師業務にやりがいを感じています
「薬剤師さん」から「佐々木さん」に
富永佐々木さんのイメージする「かかりつけ薬局」とはどんな薬局でしょうか?
佐々木さん高齢化が進んでいて他科受診が増えているので「かかりつけ薬局」では、相互作用や重複投与の問題解決ができると思います。
処方箋に限らずOTC薬によるセルフメディケーションの推進もできると思っています。薬局に、なんでも相談できる薬剤師がいればその薬剤師は「かかりつけ薬剤師」であると思うし、特定の薬剤師でなくてもいろいろと相談したいと思って薬局にいらっしゃっていただけるなら「かかりつけ薬局」にしていただけると思います。
富永どのような患者さんをかかりつけ薬剤師指導料の算定対象としているのでしょうか?
佐々木さん他科受診をされて併用薬が気になる方や、大学病院と他の病院の両方の処方箋を持ってこられる方、入退院を繰り返されて薬の管理が必要な方、外来服薬支援をしたことがある方、検査値や症状をよく相談される方など、コミュニケーションがとれている方です。特に糖尿病、呼吸器疾患、循環器疾患などの方や免疫抑制剤などの服用をされているリウマチの方は、注意が必要なので、かかりつけ薬剤師をお勧めしたいと思っています。
患者さんへの声掛けは制度面のことや金額の事をしっかり説明をして、その場で同意していただきます。また、迷っている方などは次回までに同意書をじっくり読んでおいていただき納得していただいたらご同意くださいと話しています。処方内容で疑義照会などのトラブルが発生したことのある方などはすぐに同意してくださることも多いです。なお、調剤報酬改定後の4月から算定をスタートしました。
富永かかりつけ薬剤師指導料の算定に関して、マイナス面はどのようなことでしょう?
佐々木さん予約制ではないので、かかりつけの患者さんが2~3人重なっていらっしゃることもあり、その時はすぐに応対できないことが気になりますし、かかりつけの患者さんの応対している時は、他の薬剤師に負担がかかると思うこともあります。また、相談内容が多くて長く時間がかかってしまう患者さんもいらっしゃいます。薬剤師の数と業務量とのバランスも必要だと思います。今後かかりつけの患者さんの数を増やす際には総合的に考えて調整していきたいと思います。
富永かかりつけ薬剤師になってよかったと思うことはありますか?
佐々木さんかかりつけ薬剤師になり、その患者さんのことはしっかりと把握できるようになりました。これまでは、医療材料などいろいろと種類があるものは、薬歴をみて対応していたので時間がかかっていました。かかりつけ薬剤師は把握できているため、商品のお渡しや発注等もスムーズになりました。また、患者さんとのトラブルも減少しました。患者さん側からしても個々の要望を聞いてもらえるという安心感や信頼度が増したからではないかと思います。
余談ですが、患者さんから普通は「薬剤師さん」といわれますが、かかりつけになった患者さんからは、「佐々木さん」と呼ばれたり、ファーストネームで呼び合うようになったりする場合もあります。