2024年度介護報酬改定、人員設備運営基準等の見直しに向けた全体を整理(厚労省)
2023/12/04
厚労省は12月4日、社会保障審議会 介護給付費分科会を開催し、2024年度介護報酬改定に向けて個別事項について審議した。
「運営基準の改正等の概要」および「人員設備基準等の改正等に関する事項」では、個別サービスにおけるこれまでの審議で触れてきた見直しの全体を整理した。
- 施設系・居住系サービスにおける協力医療機関を定めることの義務化(一定の経過措置)、第二種協定指定医療機関との対応の取り決めの努力義務(協力医療機関が第二種協定指定医療機関である場合は協議の義務化)
- 短期入所系・多機能系サービスの身体的拘束等の適正化のための措置の義務化(1年の経過措置)
- 訪問系・通所系サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売及び居宅介護支援の身体的拘束等を行う場合の記録の義務化
- 短期入所系・多機能系・居住系・施設系サービスにおける利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会の設置の義務化(3年の経過措置)
- 特定施設入居者生活介護における生産性向上に先進的に取り組んでいる場合の常勤換算方法の緩和
- ケアプランデータ連携システムの活用と事務職員を配置している場合のケアマネジャー1人当たりの取扱件数の緩和
- 訪問・通所リハビリテーションにおける入院中に医療機関が作成したリハビリテーション計画書の入手及び把握の義務化
- 介護老人保健施設及び介護医療院の訪問・通所リハビリテーションのみなし指定、短期入所系サービスのユニット型施設の管理者に対するユニットケア施設管理者研修の受講の努力義務
- 福祉用具貸与・販売の見直し
- 事業所の運営規程の概要等の重要事項においてインターネット上で情報の閲覧が完結するよう、ウェブサイトへの掲載の義務化(1年の経過措置)
- 居宅療養管理指導について、感染症や非常災害の発生時の業務継続に向けた取組義務及び高齢者虐待防止のための取組義務の経過措置期間も3年延長
「多床室の室料負担」では、介護老人福祉施設の多床室では1.5万円程度/月の室料負担を求めていることを踏まえ、介護医療院及び介護老人保健施設における一定の所得を有する多床室の入所者から室料負担を求めることが検討された。
「複合型サービス(訪問介護と通所介護の組合せ)」については、介護給付費分科会における議論を踏まえ、より効果的かつ効率的なサービスのあり方について、実証的な事業実施とその影響分析を含めて、更に検討を深めることとして、導入を見送る方向性を確認した。
その他では、介護保険施設における食費・居住費の基準費用額の見直し、基本サービス費として包括的に評価することを検討してきた総合マネジメント体制強化加算については引き続き加算による評価と新たな加算区分の追加、終末期におけるがん以外の在宅患者への薬学管理の緩和、定期巡回・随時対応型訪問介護看護における訪問看護関連加算と同等の取扱い、訪問看護における持続可能な24時間対応体制の確保などが検討された。