11月に暗証番号の設定が不要なマイナンバーカード、来秋には資格確認書(厚労省)
2023/08/08
厚労省は8月7日、「暗証番号の設定が不要なマイナンバーカード」と「資格確認書」に関する情報を公表した。
「暗証番号の設定が不要なマイナンバーカード」は本年11月から申請受付・交付を開始することを予定している。この暗証番号設定不要のマイナンバーカードでは、マイナポータルや各種証明書のコンビニ交付など暗証番号が必要なサービスは利用できないが、マイナンバーカードに記録されている顔写真を用いて、顔認証等により確実な本人確認を行った上で、オンライン資格確認を行うことができる。
また、既存のマイナンバーカードと同様、患者本人の同意に基づき、医療機関・薬局において、患者の過去の薬剤情報、特定健診情報、診療情報を閲覧できる。暗証番号の設定が不要であるため、暗証番号による本人確認ができず、本人確認の方法は顔認証を基本とする。顔認証が難しい場合には医療機関・薬局の受付職員が、オンライン資格確認の目視モードでの対応が必要となるため、医療機関・薬局に対して目視モードの立ち上げ方法及び利用方法の流れを周知した。
これに対し、来年秋の健康保険証の廃止以降、保険加入者でマイナ保険証の利用登録をしていない場合や利用登録を解除した人には、医療保険者が申請によらず全員に「資格確認書」を交付する。「資格確認書」の運用等の詳細は後日公表が予定されている。
「暗証番号の設定が不要なマイナンバーカード」と「資格確認書」は、高齢者や障害者等の福祉施設における暗証番号の管理に不安がある方やマイナンバーカードの申請や更新ができない方向けの支援として位置付けられる。
整理すると、正統な「マイナ保険証」以外の資格確認は、新たな申請を要する「暗証番号の設定が不要なマイナンバーカード」とオンライン資格確認の仕組みが利用できない「資格確認書」が新たに誕生しつつ、「健康保険証」自体は2024年秋の時点で有効な保険証は最長1年間使用できるため、医療機関等ではこれら4種類の取扱いの違いを理解し、受付対応を徹底していく必要がある。