Society5.0の実現に向けて成長戦略と骨太方針2019を閣議決定、調剤報酬は適正化と明示(政府)
2019/06/24
政府は6月21日、審議してきた原案から大幅な修正はなく、「成長戦略実行計画」と「骨太方針2019(経済財政運営と改革の基本方針2019)」を閣議決定した。
「成長戦略実行計画」では、第4次産業革命の変化のスピードは早くかつ急激であり、世界は大きく変化している中、必要な法制面を含む環境整備を全政府的に早急に進め、2020年の通常国会において国の基本的なインフラ整備・ルール整備を完了するよう取り組むと明記し、引き続き基盤整備を進めていく方針とした。
その鍵を握るSociety5.0の実現に向けて、「デジタル市場のルール整備」やマイナンバーカードを活用した「スマート公共サービス」などが重点施策に挙げられた。そして、人生100年時代の安心の基盤は「健康」であり、全世代型社会保障への改革においては「疾病・介護の予防」を重点施策に掲げた。
「調剤報酬」に関しては地域におけるかかりつけ機能に応じた適切な評価や、対物業務から対人業務への構造的な転換の推進やこれに伴う所要の適正化等、2020年度診療報酬改定に向け検討すると明示された。
「骨太方針2019」は、Society 5.0時代にふさわしい仕組みづくりをテーマに、2020年頃の名目GDP600兆円経済と2025年度の財政健全化目標の達成を目指す方針である。2020年度の社会保障関係予算は、骨太方針2015以降、実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びにおさめる方針を変えずに固持した。
医療・介護に係る個別施策では、「疾病・介護の予防」と「次世代ヘルスケア」を重点施策に掲げ、健康寿命の延伸を目指した「医療・福祉サービス改革」により2040年までに男女の健康寿命を3年以上延伸して75歳以上とすることや、働き方改革も踏まえた生産性向上の指標として、医療・福祉分野の単位時間サービス提供量を全体で5%以上、医師は7%以上改善することなどが目標に設定された。
また、「国家戦略特区」の医療・介護に係る個別施策では「都市部での遠隔服薬指導」「オンライン診療に係る要件見直しの検討」などが盛り込まれている。